失敗しないインプラント治療の受け方
インプラントにトラブルは生じないのか?
インプラントを検討されている方にとって「インプラント治療にトラブルは生じないのか?」ということは最も気になることの一つであると思います。では、インプラント治療にはどのようなトラブルがあるのでしょうか。
一番多いトラブルは、埋入時に下顎の神経を傷つけたり、インプラントが下歯槽神経に近いため知覚異常が生じたりするケースです。知覚異常は短い場合で6ヵ月、長い場合で7〜8年。
神経を切断してしまった場合は半永久的に知覚異常は残存することになります。他にはインプラントのサイズの選択ミス、手術時のミス、2次オペの時期が早いなどにより長期保存が難しい場合があります。
下記は患者様から頂戴したお悩み相談です。
患者様から頂戴した相談内容
Q1. 即時負荷インプラントとは?
A1. 即時負荷インプラントとは、インプラントを埋入してすぐに仮歯を入れて噛むことができるインプラントのことです。ただし、骨質が良く長めのインプラントが埋入できるなどの症例を選んだ方が良いでしょう。当院で使用するのは 「ノーベルバイオケア社」製の「ノーベルスピーディ(グルービィ)・ノーベルアクティブ・ノーベルパラレルCC」 です。
Q2. インプラント治療の期間はどのくらいかかるものなのでしょうか?
A2. 抜歯がなく骨が十分にあるところにインプラントを埋入した場合、被せ物が入るには通常2~4ヶ月になります。インプラント埋入と同時に増骨が伴う症例では、歯肉が安定してから被せものを作成しますので、5~6ヶ月はかかります。骨吸収が大きくて、インプラント埋入と増骨が同時に出来ない場合は、増骨を先に行いますので、9ヶ月~1年はかかります。
Q3. インプラントを植立後、下唇の麻痺が起きているのですが・・・
A3. インプラント植立の際、ドリルで骨を削る際、神経を傷つけたりすると麻痺が残ったりします。術前にX線で正確に神経の通っている位置を確認して判断すれば、そういう問題はまず起こりません。麻痺が何年も続くようですと、医療訴訟問題にもなります。
Q4. 増骨と同時にインプラントをしたんですが、うまくいかなかったのですが・・・
A4. インプラント医は自分の技量に合わせてインプラント手術を行うべきで、技量を超える難しい症例をするからこういう問題が起きます。再度やり直すのは、患者さんにとっても時間的、精神的苦痛を伴うものです。
Q5. 下の奥歯のブリッジが痛んできたので真ん中にインプラントを入れて補強しようとしたら、奥歯が痛んでいて抜歯しました。はじめはインプラント1本でしたが2本の方がいいと言うのでその日のうちに1本追加しました。痛みが25日も続いています。その間に残りのもう1本の歯も抜きました。抗生剤で薬疹がでるのでクラリス錠200mgを3日分飲んでその後は痛み止めで頑張っていました。炎症がひどくなってきたのでまた抗生剤を3日分のみました。その後アフタゾロンを頂きましたが付けにくいので、ペリオフィール軟膏をいただきました。この軟膏をつけたあとジンジン痛みを感じるようなきがします。もうどこが痛いのかわからないくらいです。先生は、インプラントは大丈夫と言いますが、この先不安です。痛み止めで頑張って大丈夫でしょうか。今では痛み止めもだんだん効かなくなっています。ITIインプラントで、先生はもうすぐ仮歯をいれると言っています。その方が炎症が治まるかもしれないと言うのです。大丈夫でしょうか。私の薬疹がでる抗生剤は、エリカナールカプセル250とケフラールです。先生は当初からペリオフィールを使っていましたが、この抗生剤で大丈夫でしょうか?
A5. インプラントを入れて痛みが25日も続いているとの事ですが、インプラントを入れて25日痛みが続くのはまず失敗と考えられます。したがって、仮歯を入れるとよけいに痛みが増しますので、他医院でインプラント部を診査して撤去した方がいいかもしれません。撤去するのは骨との結合が強くなる前の早いほうがいいと思います。
Q6. インプラントを植立をしてから1ヶ月以内で抜けてきてしまいました。こんなことがあるのでしょうか?
A6. そのようなことは、ほとんど起こりません。起こるとしたら、細菌感染や術者の技量の問題による、初期のインプラントの固定が出来ていなかったと思います。細菌感染や初期のインプラントの固定ができなくて、再度やり直していては患者さんも大変です。消毒を頻繁にするとか、初期のインプラントの固定を確実にすれば、1ヶ月以内でインプラントが抜けることがありません。