新しい健康基準値

今回はインプラントの埋入時期について解説する予定でしたが、話題を変更して今話題になっている新しい健康基準値でインプラントに関係する項目について解説したいと思います。
日本人間ドック学会と保険組合連合会は4月に現状の数値より緩和された新基準を発表し来年4月から運用する予定となりました。
これに対して各雑誌で色々取り上げられ、日本高血圧学会や日本動脈硬化学会など専門学会が猛反発しています。インプラント治療に関係する特に注意する項目は血圧と血糖です。

現状の最高血圧(収縮期血圧)は130mmHg未満,最低血圧(拡張期血圧)は85mmHg未満,空腹時血糖は100mg/dl未満,HbA1cは5.6%未満.それに比べ、新基準値の最高血圧(収縮期血圧)は88~147mmHg,最低血圧(拡張血圧)は51~94mmHg,空腹時血糖は83~114mm/dl,HbA1cは4.97~6.03%となりました。

インプラント治療に関しては最高血圧が(収縮期血圧)が150mmHg以下なら特に手術は問題ありません。150mmHg以上でも、降圧剤を服用して140mmHg以下にコントロールされていれば問題ありません。最高血圧(収縮時血圧)が160~180mmHgの場合は静脈内鎮静法を行うなどすれば問題ありません(鎮静薬は降圧作用がある)。180mmHg以上は内科コントロールを優先して手術を延期したほうがいいと思います。手術中は血圧が20mmHg以上上昇しますので、最高血圧が180mmHg,最低血圧が110mmHgになったら手術を中断する必要があります。

血糖に関しては、空腹時血糖値が120mg/dl未満,HbA1cが6.5%以下なら手術は問題ありません。空腹時血糖値が140mg/dl以上,HbA1cが8.0%以上なら、内科コントロールを優先して手術を延期したほうがいいと思います。

当医院では医療面接で、血圧、血糖をお聞きし慎重に行いますので、手術の途中で患者様の容態が悪くなって中断したことは一度もありません。

ブログ

前の記事

インプラント治療の流れ
ブログ

次の記事

即時埋入か待時埋入か